W-25とYeYe
何度シャワーを浴びても玄関から一歩外に出たらもう台無しみたいな湿気ムンムンな日々です。
こうでなくちゃ、梅雨は。
とも思わなくはないけど、何度この時期を過ごしても好きになれる気がしません。
ポロポロとアコースティックギターを弾いても、あんまし気持ちよくは鳴らない気がします。
そんななか、昨日は僕がドラマーとしてサポートしてるシンガーソングライター「YeYe」のレコーディングが京都は島原のきんせ旅館で行われまして、そこでドラマーなのに一曲ギターを弾くことになりました。
そういえば、ちゃんとしたレコーディングでギター弾くのなんて何年ぶりかしらと、そういう要らない心構えを持つと絶対うまくいかないので、何も考えずにササっと弾きました。
話は変わって、
最近、あるギターに出会いました。
MorrisのW-25というアコースティックギター。
名器でも高級なものでもなく、ごくごく普通の、入門にはうってつけのようなフォークギター。
このギター(僕はひっそりニコちゃんと呼んでる)、僕の近しい人の実家に15年程眠っていたもので、10代の頃にご兄弟の方がちょっと触ってみたけどそのままだったもの。
ひょんなことでこのギターを借り受け、弦を新しく張り替えただけなんですが、弾いてみると、なんだろう、なんの期待も正直していなかったのに、思っていた以上に優しく痛みのない音がする。
そして、弾いているうちになんでかだんだんと愛着が湧いてくるのです。
自分の手と弾き方と、このギターの音がとても相性がいいというか。
このギターを手にするまでに、実は楽器屋さんでそれこそ良いものから安価なものまで10数本はギターを試奏したまさに直後で、それらと比べても、フィット感はこの眠っていた普通のギターがダントツだった。
何かこれは縁だなと直感で思った僕は、早速先日の僕のマンスリーソロライヴでニコちゃんを使用しました。
うん、とてもいい。
そして、そのギターでYeYeの録音でも使いました。
今回の録音で使用したドラムセットもひょんなことで譲り受けたスリンガーランドの60'sの超良いやつで、録音した場所も歴史的風致建造物に指定されいる築250年に及ぶ元旅館で、何から何までが「ひと」を介在して過去から繋がってきたものばかり。
人が往来し、息を交わし合い、手垢にまみれた、もの・こと・ばしょ。
そういうものが、自分の意思とは違うところでカタチ創られるものってあると思う。
そういう予測できない面白さを引き出したり、環境によって変わる細かな音の差異を捕まえることのできる「田辺玄」(waterwatercamel)というエンジニアの素晴らしさも手伝って、今回のYeYeのまだ見ぬ新しい作品は、きっと素晴らしい作品に仕上がることでしょう。
YeYeちゃん、めっちゃがんばってます。笑
彼女も、人の妙縁を見逃さない才能の持ち主です。
どんなふうになるのか、まだまだ未知ですけど、是非ともみなさん楽しみにしておいてくださいね。
by sistelick
| 2013-07-04 20:39