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穴が空いている

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穴が空いている。

どんだけ空気をすこすこ入れても、走り出したら次の交差点を待たずにまたへたり込んで前にすすまない。

また戻ってすこすこ入れる。

さっきよりも多めに入れる。

そんなことしたって無駄だよ、
だって穴が空いてるんだから。

治してもらうんなら逆の道だよ。

でもバカなんだろうな。

わかってんのに見ないふりして、
すこすこすこすこ、
汗かきながら懸命に空気を入れて、
修理屋は進行方向と逆で少し登り坂だからとか、
今日は暑くてしんどいだとか、
そんなくだらない理由で、
また穴の空いたまんまのタイヤで坂を下ろうとする。

さっきより少し遠くに進めたけど、
生憎タイヤは穴が空いている。

仕方なく押して歩く。

歩きがてら、この進行方向の先にどこか腕のいい修理屋はないかと都合のいい考えで探したりするんだけど、
本当は戻ったほうが早いことを知っている。

でも、戻れない。

わかってるのに。


パンパンに張ったタイヤで街を走り抜けたならさぞ気持ちいいだろう。

今かいているその汗も、半分もかかなくて済んだろう。

そもそも、目的地に約束通り到着することが何よりも優先されるべきだろう。


何を惜しんで戻らなかったのか。


時間はかかるし。
手間もかかるし。
身も心も擦り減るし。


無駄の上塗りだ。

これが世に言う「徒労」というものだ。



夜、月がこれでもかと世間様を覗きにやってくる。

あまりの堂々さに少しうっとおしいほど。

公園でコンビニで買ったアイス食いながら、徒労に満ちた日常を省みる、こともしないで、
明日のことばかり考えているんだろう。


気づいたときに、
わかったときに、

それでもなお身体が動かせないのならそれは、

何と言おうか。



ただ一言「愚か」だと、
片づけてしまってもいいものか。


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僕は、とても迷っている。

足りない頭をこねくりまわして、
考える必要のないことまで混ぜ込んで、
挙句、迷っている。


迷い箸している間に、
たくさんの人に迷惑をかけている。


馬鹿らしいからやめたいのに、
言うことをきかない。


もうこんな時間だ。
by sistelick | 2013-08-20 03:41 | 小言